記事のアーカイブ

落語と酒①

落語と酒というテーマではすでに多くの本が出ている。ここでは、わたしが落語を見たり聞いたりしたときにふと思ったことや、逆に酒を飲みながら話題になったことなどを中心に、不定期に穴埋め代わりに書いていきたい。 『試し酒』 『酒だより』2009年10月号に掲載された藤川鉄馬会員の『お酒を飲むのは時間の無駄』というエッセイの中に、次のような話があった。 テキサスの大男がパブにやってきて、大声で言った。「アイリッシュは、皆、大酒飲みと聞いた。ここに500㌦ある。ギネスを10パイント(1パイントは570㍉㍑)、立て続けに飲んだ奴にはこの500㌦をあげるぞ」。誰も応じることはできなかった。1人の男は
続きを読む

訪問者注意

頻繁にウェブサイトのニュースとイベントを訪問してくれる方たちへお知らせしましょう。ウェブサイトを常に最新の状態に保ち、訪問者が定期的にサイトに訪れてくれるようにします。読者に直接新しい記事を配信するためにRSSフィードを使用することができます。
続きを読む

初ブログ

本日よりブログを始めました。いろいろな情報をアップデートしていくのでお見逃しなく。RSS フィード でブログのアップデート状況を確認できます。
続きを読む

ウェブサイト開設

本日新しいウェブサイトを開設しました。  お酒と歌舞伎と落語、それに杖道についてごちゃごちゃと書いてあるサイトです。お暇つぶしにでもご覧ください。
続きを読む

歌舞伎と酒⑥『梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)』

 『梶原平三誉石切』、通称「石切梶原」は、人気狂言の一つで、最近東京では今年正月の「歌舞伎座新開場柿葺落 壽初春大歌舞伎」の昼の部で上演された。その前は昨年5月の同じく五月大歌舞伎、その前には平成23年(2011年)6月の新橋演舞場での公演があった。その間京都南座でも平成24年12月に上演しており、ほぼ毎年1回は上演されている狂言である。もとは享保15年(1730年)大坂竹本座初演の人形浄瑠璃『三浦大助紅梅靮(みうらのおおすけこうばいたづな)』全五段が原作。そのうち三段目「星合寺の段」が元である。現在の歌舞伎では、この場面だけしか上演されない。 梶原平三景時は義経を讒言したというところから、江
続きを読む

歌舞伎と酒⑤『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』

 今年のお花見はいかがでしたか。江戸の花見の名所は上野、飛鳥山、隅田川沿い、御殿山など沢山あったが、もうひとつ有名だったのが吉原。特に夜桜が名物で、遊郭だというのに女性の見物も許されていた。アムステルダムの飾り窓が男性ばかりでなく女性観光客の人気スポットになっているのと同じようなものだ。その吉原の中央を通る仲の町は、桜の季節には花見の道となった。『東都歳時記』(天保9年=1838年、斎藤月岑)によると、寛保元年(1741年)の春に、茶屋の軒下に鉢植の桜を飾ったのが評判になり、翌年からは桜の木を移植し、花期が過ぎると抜き去るのが恒例になったという。延享2年(1745年)には桜の木の下に山吹を植え
続きを読む

歌舞伎と酒④『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』

 今年は歌舞伎座新開場杮葺落(こけらおとし)公演とあって、11月、12月と続けて『仮名手本忠臣蔵』を通しで上演する。11月は菊五郎、吉右衛門、梅玉、左團次などベテランの「吉例顔見世大歌舞伎」、12月は菊之助、海老蔵、染五郎など若手に幸四郎、玉三郎が抑えに回る「十二月大歌舞伎」という具合である。国立劇場では、「知られざる忠臣蔵」としてひとひねりした忠臣蔵関連の芝居を吉右衛門、魁春、芝雀などで上演する。 忠臣蔵は「芝居の独参湯(どくじんとう=高麗人参の薬湯。起死回生の漢方薬として知られる)」といわれるほど、上演すれば大当たりをとる作品とされていた。仮名手本忠臣蔵は実際の事件を元に書き上げられた人形
続きを読む

歌舞伎と酒③『勧進帳(かんじんちょう)』

 歌舞伎と言えば『勧進帳』と言われるほどこの出し物は有名。弁慶が何も書いてない巻物を手に朗々と読み上げる場面は、歌舞伎を見たことのない人でも知っている。新聞記者が原稿を電話で送る時、手元にメモだけを置いて送る事を業界用語で『勧進帳』といっていた。このころはファクスがようやく使われ出したころで、B5の半分の大きさの原稿くらいしか送れず、設置してあったのも官邸記者クラブくらいだった。このため電話送稿は原稿を届ける大事な方法の一つだった。海外支局からはテレックスで送っていた。ローマ字で送り、アルバイトが日本語に直していた。このため、電話送稿と同じく、今でいう「変換ミス」がよくあった。最近の送稿は、パ
続きを読む

歌舞伎と酒②『鳴神(なるかみ)』

 7月早々に猛暑が到来し、局地的豪雨や落雷で、何人かの方が亡くなった。雷の「かみなり」は神様がお怒りになっている怒りの声「神鳴り」だという。順番が変わると「鳴神」となる。ちなみに、「稲妻」は文字通り、稲の妻で、豊作をもたらすものだと考えられていた。最近、科学的にも、雷の放電現象で、窒素を土に固定化して田畑を富ませる効能があるといわれている。 歌舞伎の『鳴神』は、『雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)』という長い芝居の一部である。歌舞伎十八番のひとつであるが、『雷神不動北山桜』には、十八番のうちの三つ『毛抜』『不動』と『鳴神』が入っている。 歌舞伎十八番は天保3年(1832年)、八代目
続きを読む

歌舞伎と酒①『寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)』

 今年も早2月となりました。これまで「落語と酒」という形で連載してきましたが、今回から「歌舞伎と酒」という連載と交互に行いたいと思います。原稿が十分ある時は休載させていただく予定です。(『酒だより』2013年2月5日号より)           ...
続きを読む